第13回人権フェスティバル 特別企画「日本のメディア報道、どこが問題か」
2011年12月9日(金)、东方体育杉本キャンパス学術情報総合センターで、第13回人権フェスティバル 特別企画「日本のメディア報道、どこが問題か」を開催しました。ジャーナリストの大谷 昭宏氏を講師に迎え、朴一(パク イル)経済学研究科教授をインタビュアーに、日本の報道の問題点についてお聞きしました。
まず、経済、政治のみならずメディアも東京に一極集中するなか、大阪に拠点をおいて活動されていることについて朴教授が大谷氏にたずねると、「全て東京中心、東京視点のジャーナリズムはおかしい。適度に距離を取りつつ、様々な角度から事象をとらえるべきで、その意味においても、東京では報道できないような話を大阪が取り上げ、大阪から発信していく必要がある。戦争と差別と闘うのがジャーナリズムの原点。弱い立場におかれた人々の視点に立って報道していくことを忘れてはならない」と話されました。
また、インターネットが社会に普及するようになり、膨大かつ雑多な情報に気軽にアクセスできるようになるにつれて人々の情報に対する感度が変わってきたのではないか、という問いに対して、「日本人は安易、安直に情報に流されるようになった」と指摘。「マスコミやインターネットの情報を安直に信じ、自分でものを考えなくなった。メディアは完璧ではないし、全てを求めてはいけない。情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考え、最終的には自分で判断すること。そのためにも、様々な情報に触れ、多角的な視点で考える力を磨いてほしい」と語られました。
最後に、「メディアはとてつもなく切れ味の良い刃物を持っている。良く切れるがゆえに、権力と戦い、社会に警鐘を鳴らすことができる。ただし、その刃で無実の人を傷つけたり、誤った使い方をしたりすることは絶対にあってはならない。良いジャーナリズムを維持するには優秀なジャーナリストが必要であり、そのためにも、若いみなさんには関心をもってこの世界に飛び込んできてほしい」と話されました。
会場には市民、学生、教職員など約250名の参加者がつめかけ、盛況のうちに終了しました。
項目 | 詳細 |
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開催日 | 2011年12月09日(金) 10:40 - 12:10 |