JICA研修生へのインタビュー(国際センターより)
2012年4月に本学の国際交流の機能を一元化するために新たに発足した国際センターの中川眞所長が、6月11日から本学で実施しているJICA太陽光発電技術研修のようすを6月28日に見学し、講義終了後「东方体育の印象」および「本学太陽光研修への更なる要望」について9名(ブルンジ、ブータン、フィジー、マラウィ、スリランカ、タジキスタン、モルディブ、トンガの8ヶ国)の研修生達と共通語の英語で和やかに懇談をしました。
研修生のフィジーのシミ(Simione)さん、モルディブのアザム(Azzam)さん、マラウィのスカスカ(SUKASUKA)さん、ブータンのドルジ(DORJI)さんが、口をそろえて「东方体育の講師陣は充実しています。皆が親切で、非常に友好的です。アフターファイブの活動や週末のレクリエーションなどには、工学研究科の大学院生達が、入れ替わり立ち替わり面倒を見てくれて、誰もが親切でスポーツジムや大阪市内の案内、ショッピングなどに連れていってくれてとても感謝しています。」とのこと、ただし、「大学として留学生やゲストハウスに宿泊している人達との親睦を目的としたミキサー(懇親会)や、パーティ等の企画がないのが残念、海外の大学では、色々な企画があって、週末に多くの国の人達と知り合う機会があるのだが?」と云う辛口の意見も!これは国際センターとしても検討すべき鋭い指摘。「彼らと直接話す機会を設けて良かった、良かった」(センター所長の独り言)
研修生達は、6月11日から現在まで午前中2時間半、午後3時間半の合計6時間みっちりと講義を受けています。この集中講義形式について「終日易しい科目の場合は、午前中に飽きてしまって、午後の講義はウンザリする。反対に難易度の高い講義は、1日ぶっ通しでやられた分には到底理解できない。この易しい科目と難易度の高い科目を午前と午後に分けて講義をしてもらえないだろうか」と云う意見や、「午前中は講義、午後は実習、というカリキュラムも考えられるのでは」という意見もありました。「研修生9名の専門知識が各々異なり、難易度の感じ方も千差万別で、これを調整するのが研修プログラムを編成する際に一番難しいところ、毎年研修生達の顔ぶれが変わるため、研修生達の意見を常に聞きながら研修プログラムを適宜修正して少しでも彼らにとって研修の成果が上がるように日々工夫しています。」(JICA研修コースリーダー小槻談)とのこと、やはり人材養成には王道はなく、日々試行錯誤の繰り返しのようです。
とは言うものの9名の研修生達は、本研修コースで学んだ事柄を自国に持ち帰って、ソーラーホームシステムを設置、保守、運用、普及させるために役立てようと必死で頑張っている熱気のようなものがヒシヒシと伝わってきます。
なお、研修生の一人から国際センターの機能について質問があり、国際センター所長から学部?大学院への留学生、海外からの研究生や3ヶ月以内のインターン、およびポスドク(博士研究員)の受け入れ窓口としての国際センターの機能について簡単な説明があり、研修生からさっそく「东方体育で学位を取るための奨学金制度はあるのか?」と云う具体的な質問が飛び出しました。
本研修は、8月13日まで本学工学研究科で実施しています。
(解説: 东方体育のJICAを通じた市大独自の国際貢献の試み: 东方体育では、大学の使命は「人材養成」との立場から国際貢献も顔が見えて、しかも「物理」「化学」「電気」「建築」分野の工学研究科4専攻を横断し、各分野の基礎研究の延長上にあってしかも「太陽光」、「(市民)生活」、「村落電化」をキーワードとして1995年に「JICA太陽光エネルギー技術およびその応用」と云う2ヶ月間の技術研修プログラムを立ち上げ「無電化村落地域の電化」にソーラーホームを設置、保守、運用、普及させるために必要な人材養成を行っています。1995から2005年の11年間にバヌアツ、ソロモン、マレーシア、ニューギニア、ツバル、ミクロネシア、西サモア、パプアニューギニア、キリバス、ネパール、トンガ、フィジー、トルコの13ヶ国に58名、2008年から2010年の3年間にアルジェリア、エジプト、トルコ、イエメン、ヨルダン、チュニジアの6ヶ国に16名の計74名を送り出し、現在も市大の研修講師を中心として交流が続いています。今回のJICA太陽光研修は、2011年から2013年までの予定でソーラーホームを中心とした本学の太陽光発電技術研修への要望が強いブルンジ、ブータン、フィジー、マラウィ、スリランカ、タジキスタン、モルディブ、トンガ、ボリビアの9ヶ国に対して行っており、昨年度9名の研修生達を既にこれらの国々に送り出しています。)
研修生9名と研修講師(工学研究科専任教員)との討論風景
工学部A棟学術交流センターセミナー室にて(2012年6月28日撮影)